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2017年01月24日

きものリメイク!ビフォーアフター その1

本日のブログは着物の「悉皆」についてご紹介いたします!
「悉皆」という言葉、呉服関係の仕事をしていない限りは
普通の人はあまり聞きなれない言葉かと思います。
 
そもそも「悉皆」とは何か?
辞書を引くと「ひとつ残らず・全部・ことごとくすべて」
と出てきます。
確かに漢字の通りの意味ではあるのですが、
それが呉服とどう繋がるのか?
 
着物のお手入れには
「洗い張り」「シミ抜き」「染め替え」「仕立て直し」
といった加工作業があります。
その加工作業全てを「悉皆」と呼んでいます。
 
また呉服の世界では「悉皆師・悉皆職人」
と呼ばれる人もいるのですが、
その人たちは着物の直しや加工に関わる仕事が
出来る人のことを指します。
 
着物は様々な製造工程を踏んで完成していくものです。
物によっては完全分業制で、
糸の紡ぎから織り・染め・仕立てなど
全て職人別に作業を行います。
悉皆師と呼ばれる人は長年の知識や人の繋がりから、
着物の汚れやホツレ等のお手入れを、
どの工程のどの職人にどのように注文して
直せばよいかを導き出します。
着物の種類や状態により、適した職人を選び適した処置を行う。
悉皆師のお仕事は膨大な経験と知識量が必要な技術職なんです!
 
本日はその悉皆師のアドバイスを基に、
「染め替え」や「仕立て直し」で生まれ変わった
着物たちを紹介いたしますnote
 
まず本日はこちらの1点shine
 
2017124174115.jpg
 
この着物は元々の地色は左のような赤色でした。
今回のご依頼は 
若い時の着物を年齢が経っても着られる着物に仕立て直したい
というものでしたので、「染め替え」できものリフォームsign03
 
まずは「練り抜き」という技法で着物の地色を白生地に戻します。
一度染めてしまった着物でも、練り抜きで白地に戻す
ことができるんです!
次は色と模様をいれていきます。
今度の技法は「縦ぼかしの天目染め」実はこれ、
おがくずを使って染めているんです。
 
落ち着いた上品な仕上がりで希望通り、
年齢を重ねても着られる着物になりました!
 
いかがでしょうか。
まるで新しい着物を仕立てたみたいですよね!
「染め替え」だけでこんなに違った着物に変わるんですshine
 
次回もまた着物のビフォーアフターをご紹介いたしますnote