2025年日本国際博覧会において開催した「きものショー from KYOTO〜伝統と革新でつながり・つなげるKIMONO」について
2025年日本国際博覧会において開催した「きものショー from KYOTO〜伝統と革新でつながり・つなげるKIMONO」について
この度は、私どもが「2025年日本国際博覧会」(以下「大阪・関西万博」といいます)にて令和7(2025)年4月26日に開催いたしました「きものショー from KYOTO〜伝統と革新でつながり・つなげるKIMONO」(以下「本イベント」といいます)の内容に関し、多くの皆様にご懸念とご不快の念をおかけいたしましたこと、深くお詫び申し上げます。
皆様から頂戴いたしました様々なご意見につき、真摯に受け止めております。
本イベントは、我が国の大切な民族衣装である「きもの」の普及と、その魅力を国内外に発信することを目的として開催いたしました。 その第3部「即位礼での天皇・皇后両陛下の装い~十二単ショー~」におきましては、天皇陛下だけがお召しになることができる「黄櫨染御袍(こうろぜんのごほう)」を模して制作した着物(以下「本件着物」といいます)を、モデルの方に実際に装用してもらい、参加者の皆様に着付けの様子等をご覧いただきました。なお、本件着物は、日本の伝統文化としての「きもの」に関する啓発等を目的として、その特徴を分かりやすくお伝えするために制作されたものであり、畏れ多くも天皇陛下の御装束そのものを忠実に再現しようとしたものではございません。私どもとしましては、日本の皇室が受け継いでこられた伝統と歴史ある装束の素晴らしさを、多くの方々に間近でご覧いただき、その文化的な価値を知っていただきたいという純粋な思いからこの企画を実施したものであり、日常では触れる機会の少ない装束の名称や特徴、そして礼節を重んじた着装の過程をご紹介することにより、日本の豊かな文化への理解を深めていただければと考えておりました。
なお、本件着物をモデルが実際に装用するにあたって、当学院から宮内庁への確認は行なっておりません。しかしながら、黄櫨染御袍が持つ歴史的・文化的意義、そして天皇陛下を象徴する特別な装束であるという重みをふまえた場合、宮内庁への連絡につき必要性を検討すべきであったと考えております。法的な規制の有無についての認識はございましたが、それ以上に、国民の皆様が皇室の伝統に対して抱かれる敬意や感情に対し、十分な配慮ができていなかったと痛感しております。私どもの配慮や説明が至らず、結果として、多くの皆様に誤解を招き、ご不快な思いをさせてしまいましたことは、ひとえに私どもの未熟さによるものであり、重ねて深くお詫び申し上げます。
当学院サイトやSNS等で頂戴しております貴重なご意見の一つひとつにつきまして、個別にご返答申し上げることは難しい状況ではございますが、ご批判を重く受け止め、今後の活動の糧とさせていただく所存です。
今後、日本の伝統文化、とりわけ皇室に関わる事柄を取り上げる際には、より一層の慎重さをもって、歴史的背景や文化的意義、そして国民の皆様のお気持ちに対して深い理解と敬意を払い、専門家の方々のご意見も伺いながら、細心の注意を払って企画・運営を行ってまいることを固くお約束申し上げます。
改めまして、この度の私どもの説明不足、そして配慮の至らなさにより、皆様にご迷惑とご心配をおかけいたしましたこと、心よりお詫び申し上げます。
京都きもの学院京都本校
学院長 小野寛江